コピーバンドでも「どんなスタイルでやりたいか」って結構大事なことだったりするから一度整理してみるといいよという話
バンドを始めて最初のうちは、とりあえず誰かしらアーティストの曲を演奏する「コピーバンド」から始める場合が多いですよね。
実は、ひとくちにコピバンといっても「どんなコピーバンドでありたいか」という方向性には結構幅があるものなんです。
この方向性がメンバー内で合っていないと、「そうじゃないんだよな〜」となって、案外モメる元になったりします。
というわけで、今回は意外と語られていない??ような気がする「コピーバンドのスタイル」についてまとめてみました。
自分たちはどんなスタイルでやりたいのか。なにをめざしたいのか。
一度、バンドメンバーで話してみるのもいいかもしれませんよ!
コピーバンドのスタイルその①
「それっぽさ」をめざす、雰囲気コピー系
とりあえず曲をコピーし始めてみたけど、やっぱり難しくてなかなか弾けない…ので、「それっぽい感じ」でよしなにいこう、というスタイルです。
一番最初はまずこのスタイルに落ち着くことが多いかなぁと思います。
できる範囲のことで音楽を楽しんでいこう!という感じですね。
というか、最初から次項の「完コピ」系をめざすと時間ばかり過ぎていって、1曲弾ききれるのが先か自分の心が折れるのが先かみたいな消耗戦になりがちです。
心が折れる前に、まずは「ぽさ」をめざす方がオススメです。
音楽的なツボを押さえているかどうかがポイント
「それっぽさ」「雰囲気コピー」というと、まるで誤魔化しのように感じられて良くない印象を受ける人もいるかと思います。
でも、実は「ぽさ」が出せることって実はすごく重要で、音楽的なツボを心得ていないとできないことでもあります。
そして、その音楽的なツボって、楽器演奏の「単純な技術力」とはまったく別のところで育つんですよね。
なので、楽器初心者の人でも妙に「ツボ」を押さえた演奏をする人がいたりするのがおもしろいなーと思ったりします。
音楽的なツボの育て方、についてはいろいろあるのですが、そのうちのひとつとしてこちらも参考にしてみてくださいませ!
ともあれ、「それっぽさ」をめざすのはもっとも手軽に、気軽にバンドや音楽を楽しめるスタンスなので、このスタイルから始めて、このスタイルのままバンド生活を楽しむ人も少なくないです。
コピーバンドのスタイルその②
完コピをめざす系
そのアーティストが演奏している「そのまま」をコピーしようとするスタイルが完コピ(完全コピー)系のスタイルです。
リリースされた音源を完全再現しようとするアプローチだけでなく、衣装やライブパフォーマンスを再現したり、さらには「○○年のどこそこでのライブ演奏」をまるっとコピーしたり、雑音やミスタッチ、音の外し方や演奏のヨレまでとことん再現にこだわったりする人もいます。
まさに、そのアーティストへの愛ゆえですね…!
振り切った完コピバンドにはいろんな可能性がある(こともある)
この完コピ系ってある種ひとつのジャンルとして確立していて、海外ではアーティストのライブの前座をコピーバンドが務めたり、コピーバンドをしていたメンバーがそのアーティストの正式メンバーに加入したり、なんてこともあります。
そして実は日本国内でも、ザ・パロッツという「世界でもっとも有名なビートルズのコピーバンド」がいるんですよ!
その演奏力と再現力の高さゆえに、ポール・マッカートニーのプライベートパーティにも呼ばれたことがあるほど。ビートルズ大好きっ子で知られるオアシスも、来日するたびにパロッツのライブへ足を運んでいたそうです。
コピーバンドのスタイルその③
自分たちなりにアレンジしたい、カバーバンド系
本家アーティストとは異なる楽器編成で楽曲を演奏したり、楽曲のアレンジをがらっと変えたりといったスタイルで演奏する、カバー中心のバンドもいます。
たとえば、演歌をザクザクのハードロックにしてみたり、といったイメージですね。
主に楽器隊のほうで音楽的なジャンルを変えたり(ロック調→ジャズアレンジ、とか)、リハモ(コードを原曲から変えること)したりといったアレンジを加えていくことが多いです。
歌詞を変えるカバーバンドはまずそうそういないですが、そういえば一人思いつく人が。
往年のロックを日本語歌詞でカバーする「直訳ロック」で有名な「王様」がいましたね。笑
全然関係ないけど、王様、もうすぐ誕生日らしいですよ!7月7日だって!
(先日王様のライブに行った友達が仕入れてきた情報を何故かここで披露)
自分たちなりの解釈を柔軟に楽しめる
話を戻しますが、カバーバンドの楽しさといえば、メロディや歌詞が作れなくても「アレンジ」の部分でクリエイティブなことを楽しめる点でしょうか。
一度完成された楽曲を自分たちなりに再解釈して演奏し、それに対してお客さんからの反応を感じられるという体験は、そのまま原曲をコピーするのとはまた違った達成感を得られます。
その分、一定以上の演奏力やアレンジ力は求められますが、ちょっとコピーには飽きてきたけれどオリジナルを作るほどでは…なんてときにチャレンジしてみると、また違った発見ができておもしろいですよ!
最後にちょっとだけ言いたい。
こういう、スタイルの話をすると「どれが是か非か」みたいなことを言う人って案外少なくないんですけど、
どれだっていいじゃないですか。
完コピこそ至高!アレンジやフレーズの簡略化は元アーティストへの冒涜だ!
とか、
いや音楽やってるのにアレンジもせず曲をなぞるだけでそれ楽しいの?
とか
言う必要ある?
って思うんですよね。
いやまぁよく知った身内同士で酒のツマミ程度に話す分にはどうぞと思うけども。
結局は、自分たちのやってることを肯定したいがために違うスタンスを否定してるだけなんちゃうかなーと。
それを言うと、オリジナル vs コピー・カバー論とかもそうなんですけどね。
それぞれのスタンスの違いでしかないし、どこに楽しさややりがいを見出しているかの違いでしかなくて、当人たちが楽しんでいるなら、それは否定されるべきものではないはず。
自分たちのやってるスタイルに納得いっているなら、他の人のスタイルにケチをつける必然性はないんです。
それよりも、どんなスタイルであれやりきっていれば、自ずとライブの動員数やYoutubeの動画再生回数などの結果がついてくると思うし、そういう、結果のみで語る方が断然カッコ良い。
そんな風に思います。
私は、どんなスタイルであれ、やりきって楽しそうなバンドはカッコ良いと思うし好きです。
好きです。
(大事なことなので2回言いました)
(本当は、1回好きですって言ったらなんか恥ずかしかったのでもう一度言いました)