【後編】はじめてのスネアの選び方! ドラム初心者が最初の一台を買うまでの体験談をお届けします

*前編はこちらです
さてさて、前回は
- とりあえずスネアの作りについて下調べ
- 調べた内容を踏まえて、まずはネットで音の違いを探る
というところまで行きました。
が、ネットで音色を聴いてもイマイチピンとこない…。
これは実際に実物の音を聴いてみないと結局わからないかも、ということで、スネアの試奏が可能な楽器屋さんへ行ってみることにしました。
楽器屋さんに行って試奏してみた
前回、ネットで調べたりいろんな曲を聴いていく中で自分が好きかも、と思った音の傾向はこちらでした。
- ぬくもりや湿り気のある音よりは乾いた明るい音
- カン!と抜けがいい音
- てことは、どちらかというと金属スネア系なのかな?
これを店員さんに伝えて、オススメのものを選んでもらいました。
最初に叩かせてもらったのがこちら。
DW ( ディーダブリュー ) / BN1455/BLACK NICKEL/C/K
自分のイメージしていた音に比べて…
おっそろしくカンカンだった(*゚▽゚)
ものすごく縦に抜ける音。攻撃力半端ない感じ。
そして、音のまとまりはめちゃくちゃ良かったです。
これはこれでたしかにいい音。ガッツリ攻める系のロックとかとても映えそうです。
けど、残念ながら自分のイメージしていた音とはだいぶ違う…。
あと、もう少しスナッピーの余韻が感じられる音が好きだなーと感じました。
やっぱり、音のイメージを言葉で伝えるのって難しい。
店員さんに「好きなのは、カン!よりはパン!なのかもしれません…」と、それからスナッピーの件を伝えて、次に出てきたのがこちら。
Pearl STE1450SN [SensiTone Elite Snare Drum ~Limited Edition~ / 1mm Steel]
ザ・スネア!といった感じのオーソドックスな音。
クセがないのでいろんなジャンルで使えそうです。
値段もお手頃なので、初心者の人でも入りやすい音じゃないかなと思いました。
自分のイメージしていた好みの音にはぐっと近づいてきました。
けど、ここでふと思った。
金属スネア特有の高音域の響きがちょっとニガテかもしれない。
あと、元々浅胴スネア(4.5インチ)を借りて何度か使ったことがあるのですが、それに比べて5インチを超えると中低域の「モゥン」としたサステインが気になる感じがしました。
自分が今やっているバンドの音的に、その余韻が雑味になりそうな気がしたんですよね。
(もちろん、このサステインがスネアの音の重さを印象づけるので、それがダメということではないですよ。自分の出したい音に対してどうか、というだけの話です)
*Pearl STE1450SNは限定販売のため、現在新品で入手可能な通販サイトはありません。運が良ければ楽器屋店頭で見つけられるかも…!
自分で体感してみてわかることがたくさんある
さてさて。
試奏前に、イメージしていた「ほしい音」。私はこんな風に表現していました。
- ぬくもりや湿り気のある音よりは乾いた明るい音
- カン!と抜けがいい音
- てことは、どちらかというと金属スネア系なのかな?
これが、スネアを2個試奏しただけでも以下のように変化していきました。
- 明るい音の方が好きそうなのは間違いない
- とはいえ金属スネアより、木製スネアのほうが好みかも
- カン!よりはパン!と広がりのある音
- スナッピーの余韻はそれなりにほしい
- 中低域の重みよりは、軽快さのあるサウンドがほしい
このようにして、試奏を繰り返しながら自分の求める音に近づいていきましょう。
ちなみに、試奏する際には以下のような流れでほしい音を探していくのがおすすめです。
- メーカー等の商品紹介コメントやスペックから、そのスネアの音を想像
- 試奏してみて、叩いてみた音の傾向を把握
- 試奏してみたスネアの型番をメモしておく(値札ともども写メしておくと振り返りに超絶便利)
- スネアのスペックを踏まえて、「どの条件を変えたら理想の音に近づきそうか?」を検討
→1に戻る
また、叩いてみた生音の印象を覚えておくのはもちろんなのですが、スマホのボイスメモでいいのでついでに録音もしてみましょう。
実は、叩いてみた印象と録音した音の印象が結構変わります。「あれ、叩いていたときはそこまでよくなかったけれど、録音で聴くとそうでもないな…」なんてこともあります。
とはいえこれを判断材料にするというわけではなく、「自分の聴いている音と、マイクを通した音は変わるんだな」と体感できることに意味があります。
ドラムは環境や条件で音が変わる楽器です。生音と録音の音は変わります。楽器屋の試奏部屋とスタジオでも、スタジオとライブハウスでも聞こえ方が変わっていきます。その、「どういう条件でどう変わるか」の引き出しを増やしていくのに、このいろいろ試奏する機会を使わないテはないのです!
余談ですが。
いろいろ試奏していく中で個人的にとても印象に残ったスネアがあったので、自分メモを兼ねて紹介だけしておきます。笑
TAMA “STAR Reserve Snare Drum #1” TLM145S-OMP [1ply Solid Maple]
単板メイプルにブラスフープ、という超個性派。
試奏してみたら、メイプル5インチというスペックのくせにえらいド太い音がしました。笑
お値段的にはなかなか上の部類に入るスネアですが、とにかく作りも良いし、表現できる音の幅がかなり広そうなのがとっても魅力的。この値段を出すだけの価値は十分にある!と感じました。
が、自分が使いこなせる予感がまったくしなかったのでそっと戻しました←
いやぁ、でもいいスネアだったなー。あと見た目めっちゃかわいい。
最終的に、メイプルの4インチスネア買いました。
そんなこんなで気になるスネアをあれこれ試奏し、私が最終的に行き着いたのはこちらでした。
CANOPUS MO-1440DH:Natural Oil [14″×4″/ Die Cast Hoops仕様]
(紹介する必要があるかどうか悩んだんですが、このとおり「最初に想定して試奏したものから全然違う方向へ行った」ということがわかりやすいかと思い、一応載せてみました)
CANOPUSの人気モデルであるMOスネア。5.5インチを試奏して「すごいいいけど…これのピッコロサイズがあればきっと完璧なんだけどな…」と思って調べたら、ありました。イケベ楽器・ドラムステーションさんの特注品で。さすがだ…目の付けどころがさすがすぎる…!
(注:個人の所感です)
MOスネアのキレの良さが浅胴でさらに際立ちつつも、元々鳴りの良さがめちゃくちゃ良いシリーズなので、中低域の豊かさも損なわれていないっていう!
素晴らしき!!!(注:個人の所感です)
自分なりに調べ、考えて手に入れたスネアは、とても愛着が湧きます◎
最初からスネアの音の違いがわかる人なんて、まずいないと思うんです。
かといって、「とりあえず」な選び方をしてしまうのもちょっともったいない。
自分なりに調べたり、考えたりしてみて、わからないなりにもどこかで覚悟を決めて手に入れる。
で、覚悟を決めた瞬間から後悔が始まるわけです。笑
選ばなかったほうの音、そっちの方がもしかしたら必要だったんじゃないか…!なんて。
でも、その後悔があるならば、その分「自分が選んだ方の音」に徹底的に向き合う覚悟も同時に決めたらいいだけの話なんです。
こういうのって、前に進むために必要な「後悔」だと思うんですよね。
その判断や考え方が間違ってたって、いいんです。
自分の中で一度真剣に考えて、手に入れた音に向き合って、いろいろカスタマイズしてみて、また音がどうなるか感じて、考えて。
そんな風に「楽器が教えてくれること」に向き合って自分の糧が増えていくのはいいことだし、そのための「最初の相棒」になってくれる。
スネアに限った話ではないですが、「最初の一台」の楽器って、そういうものだなーと思います。

いやー、それにしてもほんとうちの子かわいい(変態発言で締める)。

幼少期〜高校までエレクトーンを習い、いろんな楽器の音色やその役割、楽曲のアンサンブルについて興味を持つようになったアンサンブルオタク。
学生時代よりバンド活動を始め、コピバン、カバーバンド、オリジナルバンドに加わりながらいろんな楽器を触るようになる。
最近のメインパートはドラム。たまにキーボード。ギターはこのところめっきり触ってない。