【データ集めた】シンセサイザーの価格や重量、サイズと鍵盤数の関連性をまとめてみた
先日、演奏の目的別におすすめの鍵盤数という記事をまとめたのですが、
実際のところ、鍵盤数によって価格や重量、サイズにどのくらい違いが出るのだろう?
と気になったので、現在販売されている主なシンセサイザーについての情報を調べてまとめてみました!
実は以前、自分もシンセサイザーを探してたときに、それぞれのシンセのスペックについてはメーカーサイトを読み込んで比較していくしかなかったのですが、それぞれのメーカーで機能面では一長一短ある中で、最終的な決め手は重量や価格、サイズなど物理的なスペックの差だったんです。
で、その辺を調べていく中で重量、サイズ感などの表記ってメーカーによってバラバラで、すごく比較しづらかった記憶があるんですよね…。
なので、今日時点の情報でもいったんまとめておいたら、誰かのかゆいところに手が届いたらいいなと。笑
【2019年度版】シンセサイザーの鍵盤数と価格、重量、サイズ 一覧データ
前提
- 2019年9月25日時点で入手可能なデジタルシンセサイザーのうち、主要なメーカーのもののみ掲載しています。
- 表中の「参考価格」は、2019年9月25日 18:30時点でのサウンドハウス調べになります。最新の価格は、各店舗や通販サイトにてご確認ください。
- 同じ品番のカラーバリエーションについては省略しています。
(色の違いで価格が異なるケースがありますのでご注意ください)
比較するうえで、シンセサイザーの機能感の差でも物理スペックが結構変わってくるので、ざっくり以下の3パターンで表を分けています。
- エントリー向け
- 中級者向け
- ハイエンド向け
ではでは、見てみましょう!
1.エントリー向けシンセサイザーの鍵盤数と価格、重量、サイズ
■表を左右にスクロールしてご覧ください。メーカー | 型番 | 鍵盤数 | 参考価格(税抜)※1 | 本体重量(kg) | 幅(mm) | 奥行き(mm) | 高さ(mm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
KORG | KROSS2-61 | 61 | 71,350 | 3.8 | 935 | 269 | 88 |
ROLAND | JUNO-DS61 | 61 | 73,000 | 5.3 | 1,008 | 300 | 97 |
ROLAND | JUNO-DS76 | 76 | 94,800 | 6.9 | 1,231 | 311 | 102 |
ROLAND | JUNO-DS88 | 88 | 118,500 | 16.2 | 1,415 | 341 | 144 |
YAMAHA | MX49 | 49 | 55,300 | 3.8 | 830 | 298 | 91 |
YAMAHA | MX61 | 61 | 65,480 | 4.8 | 984 | 299 | 112 |
YAMAHA | MX88 | 88 | 108,800 | 13.9 | 1,320 | 405 | 160 |
※1:2019/9/25 18:30時点サウンドハウス調べ(最新の価格は各店舗や通販サイトにてご確認ください)
各メーカーがエントリーモデルとして発売しているシンセサイザーの特徴として、かなり小型・軽量化をめざしている点が見て取れます。
88鍵はともかく、このくらいのモデルであれば小柄な女性でもそこまで持ち運びに苦労しなそうです。
ちなみに、YAMAHA(ヤマハ)のMXシリーズが発売されたときの謳い文句が「49鍵、61鍵はエレキギター並みの軽量コンパクトボディ」であったことを踏まえると、いかに今までのシンセサイザーの重さがシンセ弾きたちを悩ませていたのかが伝わるかと。笑
また、こうして並べてみるとKORG(コルグ)のエントリーモデルは61鍵のみのラインナップ、YAMAHAは49鍵も展開するなど、シンセサイザー入門で必要な(あるいは必要十分な)スペックについての各社の考え方が垣間見れて、これはこれで興味深いですね!
しかし、KORGの61鍵とYAMAHAの49鍵が同じ重量なのか…いいな…でも価格差16,000円か…(こういうところでどちらを採るべきかの思考沼にハマるわけです)。
2.中級者向けシンセサイザーの鍵盤数と価格、重量、サイズ
■表を左右にスクロールしてご覧ください。メーカー | 型番 | 鍵盤数 | 参考価格(税抜)※1 | 本体重量(kg) | 幅(mm) | 奥行き(mm) | 高さ(mm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
KORG | KROME-61 EX | 61 | 93,980 | 7.2 | 1,027 | 313 | 93 |
KORG | KROME-73 EX | 73 | 123,800 | 8.2 | 1191 | 313 | 93 |
KORG | KROME-88 EX | 88 | 154,300 | 14.7 | 1448 | 383 | 131 |
ROLAND | FA-06 | 61 | 118,000 | 5.7 | 1,008 | 300 | 101 |
ROLAND | FA-07 | 76 | 152,900 | 8.5 | 1,231 | 311 | 107 |
ROLAND | FA-08 | 88 | 156,800 | 16.5 | 1,415 | 340 | 142 |
YAMAHA | MODX6 | 61 | 110,800 | 6.6 | 937 | 331 | 134 |
YAMAHA | MODX7 | 76 | 147,800 | 7.4 | 1,144 | 331 | 134 |
YAMAHA | MODX8 | 88 | 166,800 | 13.8 | 1333 | 404 | 160 |
YAMAHA | MOXF8 | 88 | 126,800 | 14.9 | 1320 | 405 | 168 |
※1:2019/9/25 18:30時点サウンドハウス調べ(最新の価格は各店舗や通販サイトにてご確認ください)
続いて中級者向け。シンセサイザーの扱いにも慣れて、より幅広い表現力を求める人向けのラインナップです。
同じメーカーの同じ鍵盤数でも、重さやサイズ、価格もぐいっと上がりますね。
この辺の差がどこに現れているかというと、もちろん音源の質や機能スペックの違いもあるのですが、鍵盤の質や機構、本体の材質といった物理スペックにも違いが生じています。
ざっくり言ったら、
弾き心地の良さを追求すると、その分重さも価格も上がる
という傾向があるわけです。
ちなみに、鍵盤のタッチの違いは大きく分けて3パターンあります。
- シンセタッチ鍵盤(ノンウェイト、軽い)
- セミウェイテッド鍵盤(シンセタッチ〜ピアノタッチの間)
- ピアノタッチ鍵盤(重い)
それぞれ内部の機構が異なることから、鍵盤タッチの違いも本体の重量に影響します。
ざっくり言うと、シンセタッチの方が重量もより軽く、ピアノタッチ鍵盤の方が重量は重くなる傾向があります。
なので、たとえばエントリーモデルで「セミウェイト鍵盤」とスペックに書かれていても、実際はほとんどノンウェイトと変わらないくらいの軽さだった、というケースがあったりします。
セミウェイトあたりはとくにこんな感じで曖昧ですし、「鍵盤の弾き心地」ってとにかく相性次第で評価が変わるものなので、とにかく試奏してみて自分がピンとくるものを選ぶのが一番です。
3.ハイエンド向けシンセサイザーの鍵盤数と価格、重量、サイズ
■表を左右にスクロールしてご覧ください。メーカー | 型番 | 鍵盤数 | 参考価格(税抜)※1 | 本体重量(kg) | 幅(mm) | 奥行き(mm) | 高さ(mm) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
KORG | KRONOS2 61 | 61 | 208,000 | 14.3 | 1,040 | 364 | 134 |
KORG | KRONOS2 73 | 73 | 212,800 | 21.1 | 1,221 | 371 | 148 |
KORG | KRONOS2 88 | 88 | 245,000 | 24.1 | 1,433 | 371 | 148 |
NORD | Nord Stage 3 Compact | 73 | 348,000 | 10 | 1,070 | 302 | 104 |
NORD | Nord Stage 3 HP76 | 76 | 385,000 | 12.5 | 1,122 | 347 | 127 |
NORD | Nord Stage 3 88 | 88 | 438,000 | 19 | 1,287 | 334 | 118 |
YAMAHA | MONTAGE6 | 61 | 304,800 | 15 | 1,037 | 396 | 131 |
YAMAHA | MONTAGE7 | 76 | 314,500 | 17 | 1,244 | 396 | 131 |
YAMAHA | MONTAGE8 | 88 | 367,800 | 29 | 1,450 | 470 | 170 |
※1:2019/9/25 18:30時点サウンドハウス調べ(最新の価格は各店舗や通販サイトにてご確認ください)
最後はハイエンド向けシンセサイザー。プロも音源制作やライブでバリバリ使っちゃうよのゾーンです!
いやぁ重量もおねだんも段違い…KORGとYAMAHAの61鍵については、エントリーモデルとハイエンド向けで重さが3倍以上違います。この中で見ると、NORD(ノード)の73鍵10kgがかわいく見える謎。
その分、弾き心地から音質から機能から、すべての面でダントツに性能が良くなるわけですけどね。
このハイエンドクラスでROLAND(ローランド)が抜けていますが、ローランドでハイエンドにあたるものは、いわゆる「オーソドックスなデジタルシンセ」という枠ではなく「デジタル/アナログハイブリッドシンセ」であったりと、機能面でエッジを立たせたラインナップとなってくるため、ここでは割愛しました。でもこういうアプローチの差を見せてくるところが、メーカーの個性が出ていていいですよね。
代わりに入れてみたのがNORD STAGEシリーズ。NORDシリーズの中で「シンセもピアノもオルガンも」と一番汎用性があるモデルです。
他2メーカーと比べると重量的にはコンパクトながらお値段はなかなか強気…でも触ってみると、「やっぱNORDいいな」と思わせられる魅力があるんですよね。みんなの憧れNORD。
ちなみにKORGとYAMAHAの61鍵がどちらもざっくり15kgとのことで、これってほかのものに置き換えたら何になるんだろう?と思って調べてみました。
- ミネラルウォーター1.5lペットボトル×10本
- スイカ(Mサイズ)3個分
- 大きいサイズのお米(10kg)+中サイズのお米(5kg)
何の苦行だろうか。
YAMAHAのMONTAGE8(88鍵)に至っては30kg弱。ちょっとした鈍器どころではない感じですね。
このクラスのものになると、階段での移動は危険です。転んだら自分も周りも大惨事。
エスカレーターでも落下の危険性があるので、おとなしくエレベーターを使いましょう。
スペック比較から、各鍵盤メーカーの個性が見えてきた
とりあえず比較しやすいスペックをまとめただけでも、各社の個性が垣間見えてなかなか興味深かったですね…!
何事も、やってみるもんだなぁ。
ほかにも「こんな情報をまとめてほしい」などありましたら、ぜひコメント欄でお寄せください!
やれる範囲で、がんばってみます。笑