Band Beginners!

当方、完全アマ志向。- 初心者も楽しいバンド活動

【前半】歌が上手くなるには? ガチのボイストレーナーに聞いてみた!

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一番身近に音楽を楽しめる方法のひとつである、歌うこと。
友達と、あるいは職場の飲み会でカラオケに行くなんていう機会も多かったりして、せっかくだからより上手に歌いたいと思う人も少なくないですよね。

自分なりに歌ってみて、それで楽しく気持ち良かったら何より! なのですが、中には

「音程はそう外れていない気がするんだけど、なんか違う気がする…」
「やっぱり、プロみたいに素敵に歌うのって難しいのかなー」
「いい声の人っていうのは、やっぱり元から生まれ持ったものなのかな?」

なんてひそかに感じている人もいるのではないでしょうか。

とはいえ歌の練習方法って、実は具体的にはどうしたらいいのかイマイチわからなくないですか?

曲は覚えた! 歌詞もばっちり! 歌ってみた!
うーん、何かちがう!!!
みたいな。

覚えて歌うだけじゃどうも上手くいかない。なんかプロの人たちのそれとは違う。でも一体何がどう違うんだろう? やっぱりボイトレというやつを受けないと伸びないのかなー? とかとか。

となれば。

ここはやはり、ガチプロの方に聞いてみるのが一番です(まさかの直球スタイル)。

歌が上手くなるにはどうしたらいいのか、そしてちょっと気になるボイトレとは何ぞやについて、こちらの方にプロの目線から教えていただけることになりました!

今回お話を伺ったお方:小田原 ODY 友洋 氏

小田原 ODY 友洋 氏のオフィシャルサイトはこちら

音楽専門学校中退後、3つのバンド(マダム・キラー/ラピスラズリ(ガウスエンタテインメントよりリリース)/the baked Potato)を経てソロに転向。ソロ転向後、アーティストの後ろでコーラスをする事に興味を持ち2003年中川敦教のライブコーラスを皮切りにバックコーラスとしてミュージシャン業をスタート。
数々のアーティストのバックコーラスとしてコンサート、ライブに出演。FNS歌謡祭、Music Fair、NHKうたコンなどの音楽番組にも多数出演。2016年よりbankbandにコーラスとして正式に加入。
制作でもコーラスやボーカルディレクター、歌唱指導などで多くのアーティストをサポート。作曲家としても今まで嵐、KinKiKids、chemistryなどへ楽曲提供。
近年は、「長年に渡って歌っていくための発声法」についてフレデリック・フースラーの発声の考え方を元に、自らがサンプルとなり再現性の高いことだけをまとめている。その内容をプロアマ問わず沢山の方に知ってもらうために、トレーナーとしても活動中。

今までの共演・参加アーティスト

サザンオールスターズ / 桑田佳祐 / bankband / EXILE / 3代目J SOUL BROTHERS / D-LITE from BIGBANG / SE7EN / 畠中祐 / 奥田圭悟 / 水樹奈々 / SMAP / ジャニーズWEST / 山下智久 / Kis-My-Ft2 / KinKiKids / V6 / 堂本剛 / ENDLICHERI☆ENDLICHERI / Chemistry / スガシカオ / 岡村靖幸 / 和田アキ子 / 高橋真梨子 / 広瀬香美 / 鈴木雅之 / 加山雄三 / 石井竜也 / 山崎まさよし / など他 多数


ガチなミュージシャンの方にご登場いただけることになりました…圧倒的感謝…
コーラスのお仕事だけでなく、ボーカルディレクターや歌唱指導も行われている、まさに「歌うことも、歌を教えることもプロ」の方。

シロウト目線から感じる、歌についての素朴な疑問アレコレを思い切ってぶつけてみました!

どうしたら歌が上手くなるの?(超直球)

———よろしくお願いします! 早速なのですが、「歌ってみても、どうも思った感じと違うなー、プロみたいにはならないなー」という思いを抱えている人は案外多いと感じます。プロの目線から見て、その理由として思い当たる節はありますか?

小田原友洋氏(以下ODY氏):よろしくお願いします! そうですね、まずは「その曲のメロディとリズムを覚えられているか? 本当に、絶対、確実に、覚えられているか?」という点を、改めて確認してみましょう。

———メロディとリズム!! な、なんか、そこはみんなやっているような気もするのですが…念を押されるとちょっと自信がなくなりますね…。

覚えたつもりでも、実は曖昧になりやすい「メロディとリズム」

ODY氏:好きな曲であれば繰り返し聴いたりするので、皆さん大体は覚えているんです。ですが、そのままだと細かい音程やリズム(譜割)が曖昧になっていることも多いんです。
アマチュアの方の場合、実はその曖昧さが原因となって、思うように歌えなくなっているケースはものすごく多いです。
曖昧なところがあったら、そもそも自信を持って気持ち良く歌いきるのも難しくなりますよね。そういった、音程やリズムのひとつひとつをしっかり覚えて歌うことが、「歌が上手くなるための第一歩」になります!

———なるほどー。いざ歌うときには、自分が思っているよりもずっと丁寧に、音取りとリズム取りをする必要がある、ということですね!

ODY氏:そうそう。たとえば、「細かいところで音を外してしまうな、自分は音痴なのかなぁ」なんて思っていても、実はその外している辺りの音程が曖昧だっただけ、というのはよくあるんです。曖昧なところへ音を当てに行っちゃうから、フワフワと外した感じになっちゃう。

なんとなーく、誤魔化して歌ってるところはありませんか?

ODY氏:「どうも音を外すなぁ」と思うフレーズがあれば、音痴を疑う前に改めて、ひとつひとつの音程を丁寧に確認するところから始めてみるとよいですよ!
そして実は、「ボイトレに行ったことがないけれどとても歌が上手い人」というのは、こういった音程やリズムも含めた「歌のコピー」をものすごくたくさんやっているんです。

歌が上手い人は、「歌が好き」の濃度が半端ない

———「ボイトレに行ったことがないけれどとても歌が上手い人」の秘密は、そこだったんですね…!

ODY氏:歌が上手い人ってとにかく歌うことが好きだから、ものすごい数の歌を聴き込んで、ものすごい濃度でコピーしているんですよ。
音程やリズムはもちろん、言葉の言い方、伸ばした声をどのタイミングで切るか、リズムのちょっとしたブレや「しゃくり」と言われるニュアンスレベルのことまで、すべてを音源どおりにピタッと合わせてくるんです。もう、声真似以外の全部をコピーしちゃう。

もはや本人になりきる勢いですべてを完コピするのだそうです。すげぇ!

ODY氏:それだけ丁寧で細かく聴き込んだコピーを、「歌うことが楽しいー! このアーティストみたいに歌いたーい!」というただ純粋な思いから自発的にやっているわけですから、そりゃ上手くもなります。彼ら彼女らの「歌が好き」は、生半可ではないんですよね。
また、そのくらい歌を聴き込んでコピーすることで、「歌の表現力」の引き出しが増えていくんです。その引き出しはほかの曲を歌うときにも参考にできますし、いずれカバーやオリジナルを歌いたいと思っている人にも活きてきます。プロをめざす人であっても、歌をたくさんコピーするのは大きな糧になるんです。

———ふむむむ…確かに、とてもためになりそうなのですが…なかなか気の遠くなる話ですね…!

ODY氏:もちろん、趣味でやる限りは人それぞれでいいと思いますよ! 細かくコピーすればするほど歌の技量は上がっていきますが、どこまで上手くなりたいか、どのレベルまでできたら楽しく満足できるかはみんな違いますからね。
とはいえメロディとリズムは歌が歌であること、音楽であることの大切な要素です。かつ、コピーするうえでわかりやすい、比較的聞き取りやすい要素でもあります。
「歌が上手くなるための第一歩」としてメロディとリズムの再確認を挙げたのは、そういうことなんですよ。

———なるほど。歌の土台として、まずはメロディとリズムをしっかり押さえていこうということですね!

「声真似以外の全部をコピー」の意味は?

———先ほどODYさんは「歌をコピーするときは声真似以外の全部」と仰っていましたが、声に特徴のあるアーティストの歌が好きな場合、声真似もしたくなる人が多いと思います。声真似を外したのは何故でしょうか?

ODY氏:人はそれぞれの体格、骨格の違いによって、それぞれの声色を持っています。歌っているアーティスト自身は、自分の持っている声で素直に歌っているからいいんですが、他者がその声そのものを真似ようとすると、どうしても喉に負担がかかりやすくなるんです。とくに高い声を出すときには、大きな負担がかかりやすいですね。声そのものを無理に寄せなくても、好きなアーティストの歌いグセ、ニュアンスの付け方を知って真似られることも、好きなアーティストに近づく手段のひとつだと思いますよ!

———たしかに、そのアーティストの表現力をコピった方が、彼らが抱えている世界観を共有できるような予感がしてわくわくします! ちなみに、コピーする曲の選び方について、押さえておくべきポイントはありますか?

ODY氏:自分の好きな曲ならどんな歌でもOKです! 好きなものの方が絶対に楽しく続けられますからね。
本当は、自分の出せる声の高さに合ったものの方が喉への負担が少ないのでおすすめではありますが…でもやっぱり、キーが高かろうが、みんな自分が好きな歌を歌いたいものですよね(笑)。

———それは…やっぱ正直なところ、キーが高かろうが好きな歌のほうが断然歌いたいですね(笑)。

ODY氏:キーが高い曲の場合は、カラオケなどでキーを下げて練習するのもいいですし、敢えてそのままの高さに挑戦してみるのも悪くないと思います。
それで喉を痛めてしまったら「この声の出し方じゃダメなんだ」ということが自分の身体で理解できます。それもまた、歌を練習していく中で大事な学びのひとつです。
歌をコピーして歌ってみる、喉を痛める、別の声の出し方を試してみる、それを繰り返していく中でどうしても超えられない壁を感じたら、そのときはボイトレを検討してみるのもいいかもしれません。

———ここでボイトレの出番なのですね! ボイトレについても、一般の人にはなかなか馴染みのないものなのでぜひ聞いてみたかったんです。

後半に続きます!
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