【News】AKM半導体製造工場の火災の影響でオーディオインターフェースが品薄・枯渇する可能性
「藤本健の “DTMステーション”」様にて公開された記事なのですが、DTMやスマホでの音楽録音をしている方にかなり影響の大きい話であるため、ご紹介します。
10月下旬に宮崎県延岡市にある旭化成エレクトロニクス株式会社(略称AKM)の半導体製造工場で火災が発生し、その影響で音響関連の半導体の製造が困難な状況である、とのことです。
詳細は元記事をご確認いただければと思いますが、要点のみ以下にまとめます。
- 当該工場で生産されていた半導体チップ(DACやADC)は、Steinberg、Universal Audio、RME、Roland、TASCAM、Apogee、ZOOM、SSL、audientといった多くのメーカーのオーディオインターフェースに採用されている
- 工場復旧の見込みが立たず、AKM製のDACやADCの供給がストップするため、各メーカーの製品生産が遅れたり、新製品の開発スケジュールにも大きな影響が出る可能性がある
- そもそも今年の春以降はコロナ禍の影響でオーディオインターフェースの需要が拡大したため、どのメーカーも品薄状態が続いていたが、加えて半導体チップの生産が停止するとなると、さらなる品薄・オーディオインターフェースの枯渇や価格の急騰につながる可能性もある
- すでに代替品による設計変更を進めているメーカーもあるが、音響製品のコアであるDACやADCが変更になるため、音への影響もあると考えられる
- 中古で入手する場合は、付属DAWや付属プラグインが使えないケースが多いので注意
なお、国内メーカーのZOOMは10月末にプレスリリースを出しており、同社の生産スケジュールについては年明け以降に影響が出ると予測しています。
電子部品調達先の工場火災による影響について
(ZOOMサイト内「IR情報」の当該PDFへリンクしています)
現時点でオーディオインターフェースの購入を検討している人、または、現在愛用しているオーディオインターフェースがあり引き続き同じ製品を使いたいという人は、在庫があるうちに購入しておくほうがいいかもしれません。
また、オーディオインターフェースの製品ラインナップ自体に大きな影響が出る可能性もあるため、急ぎで必要ではない場合には、各社の動向がわかるまで少し様子見するのもひとつの手です。
さらに、元記事ではオーディオインターフェースへの影響について言及されていましたが、DACやADCといった半導体チップはエフェクター類や各種デジタル楽器にも使用されているため、こちらの分野にも影響が出る可能性はあります。今後の動向にも注目しつつ、現在購入を検討している製品がある人はその在庫状況についても確認しておきましょう。