エレキギターのおもしろさを語るのに、ときには見た目から入るのだってアリだよね
イケベ楽器さんの入荷情報を見てたら、かなり個性的なギターが出てきましてですね。
S Tele Red Wood Body
だいぶんクセがつよい。笑
が、見た目はクセが強いけれど、確実に弾きやすそう&音が良さそうな予感がぷんぷんします…!
そして、ギターとしてはかなり個性的な形ではありますが、洗練されたラインがとても美しいですね。
こちら、世界的に有名なギターデザイナーであるスティーブ・クライン氏によるものだそうです。
スティーブ・クライン氏はエレキ/アコースティックのギターだけでなくベースも手がけていて、独創的ながらエルゴノミクス(人間工学)に基づいたデザイン、楽器としての作りの良さ、実用性の高さで評価が高く、ジョニ・ミッチェルやマイケル・ヘッジズ、ルー・リード、フリーやビリー・シーンなどなど多くの著名ミュージシャンに支持されている名匠、とのこと(今回初めてお名前を知りました…)。
で、これを見てて思い出したのがスウェーデンのギターメーカー.strandberg* Guitars(ストランドバーグ・ギター)のこちら。
こちらもエルゴノミクスに基づいたデザイン設計なのだそうですが、これまた強烈な個性を放つデザインです。
初めて見たときこそインパクトがありすぎて面喰らいましたが、この子たち見てると、なんかだんだん…かわいく思えてくるんですよね…
とても、わっしょい感があって。
ギターの違いを、見た目・デザインから比べてみよう
で、思ったのですが。
ギターを選ぶ際、その違いについて、細かく見ていけば比較すべき要素はもちろんたくさんあるのですが、まず導入として
見た目でピンとくるかどうか
というところから入ったって全然いいと思うんです。初心者のうちはとくに。
自分の楽器を手にするのに、音色はもちろんですがやはり見た目も気に入らないと愛着も湧きづらくなります。
「部屋に置いているだけでもテンションが上がる」「手にして嬉しい」というモチベーションをまず最初に刺激してくれるのは、やはりデザインですからね。
というわけで前置きが長くなりましたが、今回はエレキギターのデザインの違いについて紹介していきたいと思います!
というか、そもそも「普通のエレキギター」ってどんなもの?
何をもって「普通」というかは微妙なところですが、「もっともオーソドックスなデザイン」といえるギターをまず2つ、ご紹介しますね。
ストラトキャスター
エレキギターといえば、でまず思い浮かぶのはこの形という人も多いのではないでしょうか。フェンダー社が開発した、通称「ストラト」です。
ストラトの見た目の特徴としては、
・ボディの上部にツンツンと生えたツノ
・ヘッドは、ペグがすべて左側に付いている
といったところ。
ちなみにこのヘッドの形状は、バイオリンのヘッドを横から見た形をモチーフにしているのだとか。言われてみれば、バイオリンの先端のくるるんとした部分が表現されていますね。
高音がシャキシャキと強調されたクリアなサウンドが特徴で、幅広いジャンルで使い勝手のよいギターです。
弾きやすさ、汎用性ともオールマイティーな優秀な子なので、「初心者がギター選びに迷ったらとりあえずストラト」と言えるほど、ほぼ万人向けのギターでもあります。
レスポール
こちらも王道中の王道といえるギターのひとつ、ギブソン社が開発した「レスポール」。
・ストラトに比べて丸っこいボディ
・ペグはアコースティックギターと同様に、左右に3つずつ
といった特徴があります。
レスポールはストラトに比べてぐっとマイルドかつ骨太なサウンドで、とくにハードロックやメタルのような音圧が求められるジャンルでは「何はなくともとりあえずレスポール!」くらいに重宝されます。
が、実はレスポールって元々ジャズミュージシャンのレス・ポール氏のシグネチャーモデルとして開発されたんです。
発売当時(1952年〜)はまだロックンロールが誕生して間もない頃だったため、レスポールの重量の重さやパワフルすぎるサウンドが受け入れられずいったんは製造中止となります。その後、エリック・クラプトンやジミー・ペイジなどロックギタリストたちによる再評価を経て、現在の地位を確立したギターなのです。
そう考えると、レスポールって不遇の時代をその個性でギリギリ生き抜いて、伝説的な地位を確立したんですねぇ…レスポールつよいこ…!(しみじみ)
シングルカッタウェイとダブルカッタウェイ
話をデザインに戻します。笑
レスポールのボディの右側、丸っこいボディの肩の部分がくるっと削られていますよね。これは「シングルカッタウェイ」と呼ばれる形状で、ボディのこの部分を削ることで高音側のフレットを押さえやすくする効果があります。
ストラトのように左右とも削られているのは「ダブルカッタウェイ」というタイプで、親指が回る側のボディも削ることで、さらに高音側のフレットを弾きやすくしています。
さてさて、以上がまず王道のギター2種類でした。
いずれのギターも、フェンダーやギブソンだけでなくさまざまなメーカーから「ストラトタイプ」「レスポールタイプ」として同様のデザインのギターが発売されています。
まさに、ギター of ギターなデザインなのですね。
そして、こうして改めて見比べると、やはり冒頭のS Teleやストランドバーグのギターのなんと個性的なことか。笑
まだまだある、個性あふれるデザインのギターたち
引き続いて、個性的なデザインのギターをいくつかピックアップしていきます。
挙げればもちろんキリがないのですが、ざっくりこのくらい知っていると「バンドマン第一歩!」という感じかなー、と思ったものを独断と偏見で紹介していきます!
(要は、ギターがメインではないアラカワでも知っているものを挙げただけなんですけどね←)
モッキンバード
X JAPANのHIDEが愛用したことで日本でも有名になりましたね。
シャープさとしなやかな躍動感のあるボディラインが特徴です。
ただし、HIDEが使用していたのは厳密にはB.C.Rich社のモッキンバードではなく、フェルナンデスのMGシリーズ(モッキンバードのコピーモデル)でした。
こうして、人気のデザインが出てくると他メーカーでも踏襲されたモデルが出てきて、選択肢が一気に広がるのもギターの面白いところだなぁと。
(素朴な疑問なのだけど、意匠権とかどうなってるんだろう…)
フライングV
メタルやハードロックではすっかりおなじみ。
土に立てたら刺さるやつです。
ギブソンはレスポールで不動の人気を得ながらも、実はこういった攻めのギターも取り扱っているのです。
で、ギブソンのサイトでフライングVシリーズを探していて発見したこちらのモデル、どうも何かに似てるなぁ…と思ったら、
スター・トレックの艦隊バッジに完全に一致してました。
エクスプローラー
フライングVとともにギブソンから発売されたエクスプローラー。
見るたびに手裏剣を思い出します。
フライングVと同様に、特徴的なシルエットが支持を集めて他ブランドでもさまざまなコピーモデルが発売されました。
余談ですが、エクスプローラーの肘が当たるところをカットする、「エルボーカット」というのがありまして。
74年のエリック・クラプトン初来日ライブではそのエルボーカットモデルが使われたのですが、そのためか日本国内ではエルボーカットモデルも案外人気のようです。
てことで、エルボーのとこをカットすると、こんな感じになります。
なんか…お前、昔はあんなに尖ってたのに…随分丸くなったよなぁ…
と声を掛けたくなる変わり様ですね。キュート。
PRS(Paul Reed Smith/ポール・リード・スミス)
高級感あふれる美しきギター、といえばPRS!
塗装の美しさといい、ネック部分のバード・インレイといい、「ザ・高級ギター!」という風格が半端ないのがこちらです。
で、その分おねだんも半端ない感じなのですが、「初心者でもちょっとがんばれば買えるくらいの価格帯」でSE(Student Edition)というラインナップも登場しています。
PRSのギターの特徴として、ストラトとレスポールのいいとこどり(どちらのタイプの音も出せる)というのがありまして、たとえばコピバンでやっていくつもりだけれど、やる曲のジャンルがとっちらかりそうという場合にはPRS SEも選択肢として結構いいんじゃないかなぁと思ったりします(ジャンルがアレコレになるの、割と初心者あるあるなんですよね。それもまた楽しかったりします)。
で、PRSのサイトをいろいろ見てたらSEシリーズのリミテッドでまさかのキング・クリムゾン発見。
これは…ステージで弾いてたら注目間違いなしですね…!(いろんな意味で)
ZEMAITIS(ゼマイティス/ゼマティス)
美しい、というかもはや工芸品の域に達しているのがZEMAITISのギター。
ZEMAITIS=ゼマティス、と呼ぶ人が多いですが、公式にはゼマイティスの表記が正しいようです(そいえば綴りもそうですもんね)。
この硬質なインパクトよ…!
日本だと、布袋寅泰さんやGLAYのHISASHIさんが使用していることで有名ですね。
「ギターのロールスロイス」「美術館に合うギター」なんて言われたりもします。
Gretch G6136 ホワイトファルコン
最後にご紹介したいのが、Gretsch(グレッチ)社のG6136 ホワイトファルコンです。
「世界一美しいギター」といわれています。
あふれ出る品格が、品格が…!
ヘッド部分も含めて、曲線が非常に活きているんですよね。ボディに開いているfホールの色気とか。そして白とゴールドの柔らかなコントラスト。
ホワイトファルコンの美しさは実物を見るとさらによくわかるので、ぜひ楽器屋などへ足を運んで見てみてほしいです。
ちなみにこちら、今まで紹介してきたエレキギターとはそもそもの作りが異なる、「フルアコ(フル・アコースティック)」と呼ばれるタイプになります。ボディの中身が空洞(ホロウ構造)になっているため、「箱鳴り」と呼ばれるボディの豊かな倍音が「グレッチらしい音」を作っています。
キリがないので、そろそろ〆ます。
後半はちょっと初心者向けとは言いづらい、お高いギターが多くてすみません…。
でも、ギターそのものの「見た目の振り幅」を知っているだけでも楽しい(と思う)ので、敢えてのご紹介でした!
もっともっといろんなデザインのギターがありますし、塗装や仕上げの違いでもまた印象が変わったりもします。
お気に入りの一本が見つかるよう、ぜひいろんなギターを見てみてくださいね!
リツイートされていたので見に来ましたが、確かに見た目から入るの大事!
わたしもかっこよさって正義だと思います。
かっこよいから続けられて、そしていつの間にか(自分なりに)うまくなってくる。
やっぱり、音楽って究極的には道具ありきなきがしてます。
あ。勿論、値段はお安くが大事ですがw
書き忘れました。
個人的には色は赤が正義だと思いますww
匿名さん:
Twitterからいらしたのですね!
ありがとうございます!
そうです、まさにかっこよいは正義です。笑
楽器の練習って、どうしても最初のうちは思う様にいかないところもあって
心が折れやすいんですが、
「こいつ、こんなにかっこいいからなぁ…」
とか、
「せっかくお金出して買ったんだし…!」
っていうのが結構、初期のうちのモチベーションをつないでくれたりするんですよね。
赤がお好きなんですねw
情熱の赤、ギターに採用したら熱が入ってやる気出そうですね!
HIDEさんのモッキンバードカッコよくて大好きなのですが、記事で「わっしょい感」を読んだ後だと「アテンションプリーズ感」に見えてきました(笑
ギターが段々可愛く見えてきますねw
玉ねぎドレッシングさん:
アテンションプリーズ笑いましたww
せっかくのカッコ良いギターを、ごめんなさい笑
ギターって本当にかわいい楽器だなぁと…いや、基本的にはカッコ良いんですけど、デザインの個性もあるし、何だか愛嬌があるんですよね。
デザインの振り幅があまりないドラムや鍵盤をやっている側からすると、羨ましくもあります笑