歌がうまくなりたい人必見! 「音楽の3要素」を見直すだけで、歌はぐっとレベルアップする!

歌を歌うとき、皆さんはどんなことを意識していますか?
歌詞をしっかり覚えたり、音程を覚えたり…それでもなかなか思うように歌えない、と感じているのであれば、「音楽の3要素」を見直してみるのがおすすめです!
歌がワンランクうまくなる! 意識しておきたい「音楽の3要素」
まず、音楽の3要素とは何か? というのを見てみましょう。
ざっとまとめると以下の3つになります。
- メロディ…いちばん耳に残る、メインの旋律。いわゆる歌メロなど。
- リズム…曲中に流れる一定の繰り返し、刻み、拍。
- ハーモニー…和音のこと。複数の音程が組み合わさって音の響きに広がりが生まれる
歌うとき、歌詞を届けたいと思う人は多いですよね。
その一方で、歌詞の言葉や内容に思いが行くあまり、上記のような「音楽的な部分」がついおろそかになってしまっているケースも、実はとても多いのです。
歌ももちろん、「音楽」。音楽的な要素をしっかり見直してみるだけでも、実は歌はぐっと伝わりやすく、レベルアップできるのです!
歌うときに意識しておきたい見直しポイント!
メロディの見直しポイント
歌モノの曲であれば、歌の旋律そのものがその曲の中で構成される「メロディ」になります。
音楽の3要素のうちのひとつを歌がまるっと担っているので、責任重大です!
なので、メロディ的な視点で見直すべきポイントはたったひとつ。
- 音程があいまいなところはないか
です。
とくに、言葉がたくさんつまっているところでの、
- 音程の上がり下がりが細かいところ
- ずっと同じ音程が続いていた後に、急に音程が動くところ
こういったところがあいまいになってしまうパターンはとても多いです。
何気なく歌を聴いているだけだと、ちょっとした違いのように思うかもしれません。
なんとなくそれっぽく、でいいんじゃないの? と思うかもしれません。
ですが、アーティスト達はその細かな音程の動きも「曲の中で、音楽として必要なもの」として表現しています。まさに、神は細部に宿る、です。
- 上がり下がりの細かい動きがどうなっているか
- どのタイミングで、どう音が動くのか
こういったところを丁寧に読み解いてしっかり自分のものにしていくことで、「あいまいなところをヒヤヒヤしながら歌うことがなくなる」、つまり結果的にラクに気持ちよく歌えることにも繋がります!
ちなみに、メロディの音取りには小さなキーボードがひとつあるととても便利です。
音取り用途であれば、このくらいの小さなものでOKです。コンパクトな本体サイズ&単3電池で駆動する&本体スピーカー付きなので、使いたいときにさっと使える手軽さがありがたいです。ちょっと音取りしたい、というだけでわざわざ大きなキーボードを持ち出して…というのも、だんだん億劫になっていきますからね。そういう部分はストレスフリーなほうがいい。
メロディの音取りをするだけなら、楽譜が読めなくてもとくに問題ありません。「よく出てくる音域(鍵盤の範囲)」というのはそれほど多くないので、とりあえず鍵盤をひとつひとつ押してみて「ん、いや、この音じゃなさそう」と探していく感じで十分です!
リズムの見直しポイント
続いてリズムの話。歌でリズム、というと、言葉の細かさについてのイメージが強いかもしれませんね。
たくさんの言葉を一気に歌ったり、ゆったりと一言一言を歌ったり、そんな緩急で歌は成り立っています。
ここでまず見直しておきたいのは、
- その言葉を、どのくらいの速さで歌ったらいいのか
です。
ここで、音楽にはリズム、拍の概念があります、という話を少し。
曲を聴きながら「トン、トン、トン、トン」とリズムを取ってみてください。
多くの曲はトントン4つ、または3つでなんとなく曲中の「ひとまとまり」におさまるはずです(トントン4つが圧倒的に多いです)。歌のワンフレーズがだいたいトントン4つの中に収まる、とか、そんな感じのイメージです。
曲によっては、トントン8つで「ひとまとまり」と感じるかもしれません。これは、実際には「トントン4つ×2」で構成されています。
で、歌の話に戻りますが、
- この「トン、トン、トン、トン」という曲のリズムに対して
どこのトンに歌詞のどの言葉がはまっているか
を読み解くことが、歌におけるリズムの見直しポイントになります。
「トントン」は細かく割れていく
で、このトントンですが、細かく割ることができます。
音楽的に歌唱力、演奏力のある人たちは、こういった細かいトントンをたくさん感じながら演奏をしています。
いきなりは難しいので、まずはトントンを2つに割るところから感じてみましょう!
ひざなどを叩いてみながら、「ト、ン、ト、ン、…」と練習してみるのがオススメです。

「トントン」の中に、歌詞は割り振られている
では、曲に合わせてトントンしながら、歌をじっくり聴いてみましょう。
何となく早口、何となくゆっくり、と感じていた部分が、トントンの中に載ってくるはずです。
「ト」のタイミングで言う言葉、「ン」のタイミングで言う言葉がそれぞれ何なのかがわかってくれば、だいぶリズムがつかめてきていることになります!
速い曲などは、トンをさらに2つに割って「タトタト」でリズムを取ってみる
速い曲、歌詞の細かい曲などは、大きな拍であるトントンではリズムが取りづらいこともあります。
そんなときは、トントンのトンをさらに2つに割って「タトタト」とリズムを感じてみるのもオススメです。
叩き方の例としては、こんな感じでやるとつかみやすいです。

トントンとタトタトの細かさを比較すると、こうなります。

トン1回の中に、タトが4回入る感じですね。伝わるでしょうか…。
余談ですが、リズム感を鍛えたい人は、曲に合わせながら上記の「トントン」と「タトタト」を左右の手で同時に打つ練習がオススメです。
この練習を通じて「トントン」の大きな拍と「タトタト」の細かい拍とを同時に感じられるようになるので、しっかり曲のリズムをつかみながら歌えるようになります!
試しに、歌詞の読み解きをやってみよう
踏まえて、実際に歌詞のリズムの読み解きはどうなるのか。
ちょっと、こちらの曲を題材にお借りしてやってみたいと思います!
今回お借りするのは、UNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」。
早口ソングとしても有名ですね。軽快なリズムが気持ち良い曲なので、これはぜひリズムに乗ってタタタンッと歌いこなしていきたいところです!
というわけで、ためしに読み解いてみるフレーズは最初のひとかたまり。
「超天変地異みたいな狂騒にも慣れて」
こちらです。
まずは、曲のトントンに割り振るとどうなるか見てみましょう。

こんな感じ。
曲自体のトントンは、4つの刻みでいけます。
で、トントンしながら「いち、に、さん、し、いち、に、さん、し、…」と数えていった場合の、
- 1つめのトンの「ン」のタイミングで歌い始め
- 下に半円が付いている部分の歌詞は、複数の言葉があっても「1音」として歌うのがよさそう
ということが見えてきます。
歌詞のリズムが曖昧だな、と思う部分は、このようにして読み解いていきます。
ちなみにこの曲の場合、歌詞がだいぶ詰まっているため、トントンでリズムを取っているだけではまだつかみきれない部分が出てきやすいです。
上記の例でも、「超天変地異みたいな」の「たい」の部分が「ン」と「ト」の間に入っていますね。
こういうケースでは、さらに細かい刻みの「タトタト」で見ていくとわかりやすくなります。

こんな感じ。
で、このリズムの読み解きですが、無理に原曲に合わせながらやろうとせず、まずはゆっくり自分のテンポでやりましょう。
歌詞のリズム(譜割りといいます)がわかっていない時点で曲のテンポどおりにやろうとしても、まず追いつけないですからね。まどろっこしく感じるかもしれませんが、音楽の練習は「急がば回れ」が一番手っ取り早くてかつ確実です。
ハーモニーの見直しポイント
さて、最後にハーモニーについて。
ハーモニーとは、最初にも述べたとおり和音のこと。
ある音程と別の音程が重なって鳴ることで、音の響きが広がって雰囲気が増し増しになるのですね。
メロディである歌のパートは単一の音程しか出せないので、ハーモニーとして見直すポイント、といわれてもちょっとピンと来づらいかもしれません。
実際、まずは自分のパートである歌のメロディとリズムをしっかり身につけることが一番大事なので、ハーモニーについてはその後で意識してみる、という流れでも全然OKです。
というわけで、メロディとリズムがしっかり自信を持って歌えるようになってきたら意識してみたい、ハーモニーの見直しポイントについて。
- ほかの楽器やコーラスの音を聴き、感じながら歌えるようになろう
一言でいえば、これに尽きます!
演奏の中で鳴っている楽器のフレーズやリズムに耳を澄まし、「あ、ここは楽器と歌のリズムがシンクロするんだな」とか「コーラスの音程に対して、自分の歌メロが綺麗にハモれているかな?」といったことをひとつひとつ追いかけてみましょう。
これを繰り返すことで、「演奏と息を合わせて歌う」という感覚がだんだんと身についていくようになります。
ここまで意識できるようになったら、もうすっかり音楽上級者です! 自分の歌で精一杯だったところから、「みんなの音で力を合わせて、ひとつの曲をよりよい形にする」という楽しみを感じられるようになります。
すべてのポイントを一気に見直していくのはなかなか難しいです。ですが、気になったところから一つずつ意識していくだけで、着実に歌も上達していきます。
「歌っているときはとっても気持ちいいんだけど、後から自分の歌を聴き返すとなんか、違うんだよなぁ…」と思うときに、参考にしてみてくださいね!

幼少期〜高校までエレクトーンを習い、いろんな楽器の音色やその役割、楽曲のアンサンブルについて興味を持つようになったアンサンブルオタク。
学生時代よりバンド活動を始め、コピバン、カバーバンド、オリジナルバンドに加わりながらいろんな楽器を触るようになる。
最近のメインパートはドラム。たまにキーボード。ギターはこのところめっきり触ってない。