かっこいいライブがしたかったら、とにかくアマチュアバンドのライブを山ほど観るのがおすすめ
好きなアーティストのライブを観て、「カッコイイ…ステキだ…自分もあんな風にやりたい…!」そんな風に思ってバンドや楽器を始める人も少なくないですよね。
が、いざ自分がステージに上がるとなると緊張でガチガチ…弾き間違えないかなぁ、ミスったらどうしよう…そんな不安が山盛りで思うようにライブを楽しめない。
なんて人もまた、少なくないのではないでしょうか。
今回は、そんなあなたにこそ読んでほしい記事です。
アマチュアバンドのライブには、かっこいいライブのヒントがたくさん詰まっている!
プロのアーティストのライブって、演奏はもちろんのことステージパフォーマンスや演出などなど、それぞれ趣向を凝らしていてとってもカッコ良いですよね!
ていうか、そりゃ当たり前です。
プロなんですから。
たしかな演奏技術やステージングで観客を惹きつけ、ライブでアーティストの個性を引き出し、さらなるファンを獲得していくことでプロのミュージシャンは対価を得ています。そしてそのために日々研鑽しているわけです。
もちろん、プロのライブパフォーマンスを観ることもとても勉強になります!
が、それをそのまま自分たちに置き換えて「ライブとして成立するライン」と考えてしまうのは、ちょっとハードルが高すぎる。
もっと厳しい言い方をすると、練習量も場数も圧倒的に足りていない素人が、プロと同じようなステージができるわけがないんです。
そこで、「アマチュアバンドのライブを観てみる」という選択肢です。
より身近なレベル感の中で、良いライブ、良いと感じないライブをいろいろ観ることで「あ、この感じなら自分もできるかも」という引き出しを増やしていくことが大事になります。
いろんなレベル感、いろんな温度感の人たちがいろんなバンドをやっている
コピバンもオリジナルバンドも含めて、アマチュアバンド界隈には本当にいろんな個性のバンドがいます。
中には、それこそプロ顔負けの素晴らしいライブをする人たちもいれば、演奏的には多少粗くても何だか観ていて楽しい、というバンドもいます。そして、まだまだ楽器やライブに不慣れな人たちも。
そんなライブ初心者のうちであるあるなのは、
演奏中、みんな棒立ち。
ミスるのが心配で、縮こまってしまう。
表情も固い。全力の真顔。
少し慣れてくると、ボーカルが「何とかライブを盛り上げなきゃ!」と頑張り始めるのですが、うっかり努力の方向性を間違っちゃって
「お前らー!元気ねーぞ!もっと楽しめよー!」
「ほら、ステージの前空いてるよ!もう一歩前へ!」
とか言い出しちゃったり。
お客さんからしたら、そんなん言われても
お前らとか言われる筋合いはないし、
元気がないのも前が空いてるのも君らのライブが楽しくないからやで。
ってのが正直な思いですからね。
お客さんをお前ら呼ばわりしていいのは、そういうキャラとしてすでにガッツリファンの心を掴んでいるアーティストさんだけです。それは戦略的「お前ら」なので、くれぐれも安易にマネしないようにしましょう。
お前ら云々は置いといても、前の3つは実に多くの人が通る道ですよね。
わかる…めっちゃわかるよ…!(深い頷き)
そして、なかなかそこから抜け出す術がわからなくて悩むのもわかります。
でもね。
きっと、身の回りにも同じように緊張しながらライブをしているバンドも、対バンの中にはいたりすると思います。
そういうバンドを、一度、同じバンドマンとしての目線ではなく、完全にお客さんになりきって観てみてください。
お客さんが見せられているのは、「ライブ」なのか「発表会」なのか
緊張と不安でガチガチのステージ。
それを観るのが、招待された入場無料の「発表会」だったら、客として来た人たちも「ああ、まだ慣れてないんだな。がんばれ!」と素直に応援もできます。
ですが、入場料を取られるライブだったら。
イベントによって金額設定もさまざまですが、たいていチケット代+ワンドリンク代がついて、決して安いとは言えない金額を払ってお客さんが来てくれるわけです。
どれだけ安く抑えて入場料が500円、1000円だったとしても、お金を取るならバンドには「もてなす側」の役割を果たしてほしいと思うのが人情ですよね。
で、先ほど例として挙げた「演奏的には多少粗くても何だか観ていて楽しいバンド」。
こういうバンドがたくさんいるのもまた、アマチュアバンド界隈の楽しさのひとつだと思うんです。
私見ですが、こういうバンドに共通しているのって「自分たちの演奏している音楽を本人たちが一番楽しんでいる」っていうことではないかなと感じます。
本人たちがとても楽しそうに、気持ちよさそうに演奏している。
その雰囲気が自ずと観客席にも伝わって、みんなが楽しくなれる、というのはまさに「ライブ」ならではのことだと思うんです。
エリック・クラプトンだってステージでは自分に暗示をかけている
エリック・クラプトンの名言で、こんなのがあります。
Think that you are the best when you are up on the stage.
- Eric Clapton
When you are off the stage, think that you are at your worst.
これ、日本語訳で出回っている文章だと
「ステージに上がったら自分が1番上手いと思え。そしてステージを降りたら自分が1番下手だと思え。」
って訳されるんですけど、原文を見るとちょっとニュアンスが違いそうですよね。
ステージにいるときは、自分は今一番ベストな状態だと思いなさい。
そしてステージを降りたら、一番悪い状態だと思いなさい。
そういうことを言いたいんじゃないかなと。
余談ですけど、bestを「上手」と訳してしまう(技術的な良し悪しに持っていく)感じがとても、唯一の正解を追い求めがちな、日本的な考え方だなと思います…。
人が観ているステージの上では、今自分ができる一番のベストを尽くす。
ステージを降りたら、次のステージのためにまた練習を繰り返す。
世界的に有名なギタリストであるクラプトンもきっと、この考えの元に現在の地位まで登り詰めていったのでしょうね。
なので、きっと大丈夫。
自分がいかなるレベル感だったとしても、「まだまだできないことがたくさんある…」と思っても、ステージでは全力を尽くして「いい演奏ができている!」と思い込みましょう!