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【①APOGEE/夜間飛行】めくるめくMVの世界 – 邦楽編

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学生の頃に「これカッコいいな!」と思っていたMVたち。
最近調べたら「丹 修一」さんの作品と知りYoutubeで追っかけ中なハセガワです。
丹さん凄い…! ロックが滲み出てくる映像…!

そう、今回は邦楽MV(ミュージックビデオ)のお話です!

今一番アツい、映像の世界

1980〜1990年代、音楽番組やCMで少し流れるくらいだった邦楽MV。
フル尺ではなかなか見れず、すべて知っているのはビデオ(DVD)を買う熱心なファンのみ、そんなニッチな市場でした。

ところが、2000年代に入るとYoutubeの登場により状況が一変。好きなタイミングで「映像を見ながら音楽を聴く」が当たり前の時代となります。

その結果、邦楽MVの競争は激化の一途を辿りました。

「新規ファンをどう取り込むか」
「最後まで見せるにはどうするか」
「バズる映像はどう作るか」

日々繰り返される切磋琢磨、あの手この手で我々を誘惑。
発想とクオリティは研ぎ澄まされ、今一番アツい映像の世界となった!

そう言っても過言ではありません。

そして、こういったクリエイティブを紐解いていくと、先に挙げたような「人を巻き込むためのアイデアや仕掛け」が見えてくるようになります。
それは今後、自分たちのバンドでもMVを作りたいと思った時の参考になるのはもちろん、本質的なクオリティコントロールも見いだすことができれば、音楽での表現にも応用することが可能になります。

今日は、そんな視点からハセガワが大好きなAPOGEE(アポジー)のMVを紹介したいと思います!

夜間飛行 / APOGEE

夜間飛行 / APOGEE 2006年(監督:田中裕介)

あの、今一番アツいと言っておきながら13年前の曲ですみません。
しかしですね、映像のポップさ/シュールさのバランスが素晴らしく、なにより曲が良すぎる!
TBSの「カウントダウンTV」2006年3月度のエンディングテーマで使われたので、聴いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

ハセガワが思うに、このMVは「飽きさせないための仕掛け」が詰まっています。
順に解説していきますね!

MV解説

① スタート〜 暗闇からAPOGEE

真っ暗な背景の先に「APOGEE」の文字が見え、曲の開始と同時に点灯します(点灯パターンも凝ってて好きです)。
ゆっくりゆっくり近づいて、なんと歌が始まっても画面が変わりません。

結構珍しくないですか?

大体、歌が入るタイミングでガラッと動きや変化をつけてくるものが多いですよね。
これ以降、曲が切り替わるタイミングで画面が変化しますが、開始だけは違っています。

これは「MVのテンポが遅いと思わせるため」と「次の画面でダレさせないため」だと考えてます。
詳しくは、次の項で説明しますね。

次の画面行ってみましょう!

② 0:13〜 メンバーと鹿。そしてダンサー

フェードインするメンバーのカット。はい、いきなり様子がおかしいですね。

真ん中に鹿。

よく見ると彼(?)も歌っています。

右には崖?岩?。

上にはダンサー。

え、ダンサー誰?

唐突な画面により頭が「???」で埋まります。
真ん中の鹿に目を奪われ、右のダンサーが気になり…でも少し落ち着くと、演奏するメンバーの様子が目に入るようになりますね。

画面に見慣れた頃、Aメロが再度始まるタイミングで左に振れ、一気に右へ!

この画面、カメラは浮遊感を出すようにゆっくり動いているのに、次の画面への切り替わりの動きは速いですよね。ベースのスライドの音に同期し、一気に切り替わります。
曲もベースとドラムが入り、スピード感が出てガラッとイメージが変わる…!

そう、イントロから最初の画面へのテンポが遅いのは、すべてこのためです!
この瞬間を最大に引き立てるフリだったんです!

冒頭の、

「APOGEE」ロゴ画面
  ↓
「メンバーと鹿」画面

への移動を少し遅くすることで「このMVはゆっくりしたテンポで進むのかな」と感じさせ、表示する時間自体も短くする事に成功。

その結果、変化のインパクトを最大限に感じさせるこの瞬間まで視聴者を導きます。
奇をてらい過ぎても逆効果となりますが、とても自然に行われていて感心してしまいませんか?

さぁ、次はインパクトの激しすぎる絵面が押し寄せますよ!

③ 0:48〜 草原からネック

草原から生えるギターとベースのネック、切り替わりながら駆け回るメンバー。

草原に座る女性。

山の向こうにダンサー。

ねぇ、だからダンサー誰?

はい、シュールが飛び抜けて来ました。
さぁ一体何処に集中すればいいのか…!!!

スピード感が増した先、情報量が増し、絶大なインパクトを与えるこの画面。
実はここが情報量のピーク。同じ画面はこれ以降現れません。
この画面の意味についても、次の項で説明します!

「何だこれ…」と呆然としてる間に曲が進み、今度は上へ移動…あ、空だ!

④ 1:07〜 空へ…やはり鹿

大きなシンセサイザーの演奏画面…でも右側に違和感。
女性が歩いては消え、歩いては消え…のループ。

あ、やはり鹿は居るのですね。

先程の画面とは変わり、情報量が一気に減りました。
見るポイントが明確になったことで、混乱も起きなくなりましたね。
落ち着きや安心を感じませんでしたか?

この絶妙な「情報量のコントロール」は、脳の緊張→緩和を生みます。

延々と続くと疲れるのですが、一度挟むことで集中力が増します。
裏付けるように、この先は

・「まず目が行ってしまう」分かりやすいポイント1つ
・「よく見ると何かある」注視ポイントが少し

という構成の画面が続き、先程のように膨大な情報量の画面は出てきません。
インパクトが大きい画面を挟むことで、この先の展開に期待しますよね?

この先、曲が盛り上がるタイミングに合わせて画面は上昇し、「どこまで行くんだろう」「次はどう変化するんだろう」と期待を持続したまま、最後までつい見続けてしまいます。

そのまま曲の盛り上がりに惹き込まれ、シュールでポップな世界に巻き込まれ、あとはAPOGEEの歌う「Guess the reason why?」が気持ちよく響くだけです←

まとめ

MVがコントロールする情報量操作+ポップでシュールな世界に踊らされる4分41秒。

後半にかけてゆっくり盛り上がる曲を、前半にフックを効かせることで見続けられるように考え抜かれた、素晴らしい作品です。

あ、もし夜間飛行のMVが好きだなと思ったあなたには、ゴーストソングもおすすめです!

APOGEE – ゴースト・ソング  2006年(監督:田中裕介)

こちらも「…え…シュール…空中要塞APGEEE…?」と困惑させてくれつつ楽しめる、素晴らしいMVとなっています。曲もカッコよすぎますよ!
ちなみにこちらのMVは、MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN 2007最優秀特殊効果ビデオ賞、スペースシャワーTVビデオアワード最優秀監督賞を受賞しています。

以上、ハセガワでした!
皆さまもオススメMVを教えてくださいね!

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